加工肉の「亜硝酸塩」、男性の大腸がんリスクを最大50%高める?スウェーデン20年追跡調査の結果
日常的に食べるハムやソーセージ、健康への影響は?
朝食や弁当のおかずとして親しまれているハムやソーセージなどの加工肉。しかし、これらに含まれる食品添加物「亜硝酸塩」の摂取量が多い男性ほど、大腸がんの発症リスクが高まるという長期研究結果が発表されました。
スウェーデンのカロリンスカ研究所による約20年間にわたる追跡調査で明らかになったこの事実について、詳しく解説します。
8万人を超える大型コホート研究で判明した事実
カロリンスカ研究所のアーナ・ロドリゲス(Ana Rodrigues)研究チームは、スウェーデンの中高年成人8万2,009人を対象に、1997年から約20年間にわたって食生活と健康状態を追跡調査しました。
平均20年の調査期間中に3,170人が大腸がんを発症。食生活データを詳しく分析したところ、驚くべき結果が得られました。
男性のみリスク上昇!特に「遠位結腸がん」で顕著
分析の結果、亜硝酸塩の摂取量が最も多かった男性グループは、最も少なかったグループに比べて大腸がん全体の発症リスクが23%増加していました。
特に、大腸の下部に発生する「遠位結腸がん」のリスクは50%も高いことが判明したのです。
興味深いことに、この明確なリスク増加は男性でのみ確認され、女性では有意な関連が見られませんでした。また、野菜(ホウレンソウやレタスなど)に自然に含まれる「硝酸塩」に関しては、男女ともに大腸がんリスクとの関連は認められませんでした。
なぜ亜硝酸塩がリスクを高めるのか?
研究チームによると、亜硝酸塩は体内で「N-ニトロソ化合物」という物質に変化することがあります。この物質は動物実験において発がん性が報告されている成分です。
男性でのみリスクが高く現れた理由としては、男性が女性よりも酸化ストレスに対して脆弱である可能性や、大腸の部位ごとにがんが発生するメカニズム自体が異なる可能性が挙げられています。
研究の限界と今後の課題
今回の研究は20年におよぶ膨大なデータに基づいた貴重な成果ですが、研究チームはいくつかの留意点も指摘しています。
まず、なぜ性別によってこれほど明確な差が生じたのか、その正確なメカニズムはまだ解明されておらず、追加の研究が必要である点です。
また、筆頭著者であるロドリゲス研究員は「硝酸塩や亜硝酸塩が健康に及ぼす影響は非常に複雑であり、発がんリスクを慎重に評価する必要がある」と述べています。
本研究結果(Nitrate and Nitrite Intake and Risk of Colorectal Cancer)は、国際学術誌『米国国立がん研究所ジャーナル(JNCI)』に掲載されました。日頃から加工肉を多く食べる傾向がある方は、バランスの取れた食生活を意識するきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
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