「お肉は完全に断つべき?」がん経験者が知っておくべき正しい肉の食べ方
がんの診断を受けると、多くの方が食生活を根本から見直します。「二度と再発させたくない」という強い思いから、お肉を一切断ち、野菜中心の自然食品へ切り替える方も少なくありません。
辛い治療を乗り越えたからこそ、健康の尊さを痛感し、食事や運動に細心の注意を払うのは当然のことです。しかし、牛・豚・羊などの「赤身肉」は本当に一切食べてはいけないのでしょうか?
赤身肉とがんリスクの本当の関係
世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)は、赤身肉を「グループ2A(ヒトに対して発がん性がある可能性が高い物質)」に分類しています。
ただし、この分類は「発がんする確率の高さ」ではなく「科学的根拠の強さ」を示しています。過度に恐れて完全に排除する必要はありません。
むしろ赤身肉には、植物性タンパク質よりも吸収率が高い高品質なタンパク質や、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
治療中や回復期において、急激に筋肉量が落ちる「サルコペニア(筋肉減少症)」の予防は非常に重要です。そのため、専門学会でも適量の肉類を摂取することが推奨されています。
健康的に食べるための「量」と「調理法」
世界がん研究基金(WCRF)では、赤身肉の摂取量を1週間あたり加熱前で500〜750g未満にするよう勧告しています。
ここで特に気をつけたいのが「調理方法」です。直火焼きや高温で長時間焼いた肉からは、ヘテロサイクリックアミン(HCA)などの発がん物質が発生しやすくなります。
最も安全性が高いのは「蒸す」「茹でる」調理法です。フランクフルトや脂身の多い部位は避け、赤身を中心に茹でて調理することでリスクを大幅に下げられます。
さらに、抗酸化作用のあるサンチュ、玉ねぎ、セロリなどの食物繊維豊富な野菜と一緒に食べることが理想的です。
生活習慣全体で見直す予防のポイント
WHOによると、がんによる死亡原因の約30%は喫煙、30%は食習慣によるものです。つまり、がん全体の約3分の1は日頃の予防活動によって防ぐことができるとされています。
食事だけに偏るのではなく、禁煙、適度な運動、定期的な健診など、リスク要因を総合的に排除していくことが大切です。
お肉を完全に禁止してストレスを溜めるのではなく、「脂身を減らし、茹でて、野菜と一緒に適量を美味しく食べる」という賢い食習慣を取り入れていきましょう。
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